球面上のベクトル場の発散の公式
2次元球面S2上に自然基底{e1, e2}が張られているとする。(u1,u2) = (θ,Φ)によるパラメータ付け、自然基底、計量テンソルはここと同じものとする。S2上のベクトル場v = v1e1 + v2e2(反変成分表示)に対して、発散divvは次の公式で計算できる。
ただしgは、計量テンソルの行列[gij]の行列式で、|g|はそれの絶対値である(gが零にならない理由)。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjDGmDK4flv9TFkIhHgg-t2lP_gzK0Y85_QZNhjAnPAgcTKX3E6hCdeTYdQ0LvwI5gmoUF9_uzCE8z0bY6ERS_VMRZhi1-oNdmH3scGEVVWtSWMdrMy-B_vBw9BHhjbBj1SVgexIC_Ghe0/s640/sphere_div-0-0.png)
計算例
球面上のベクトル場vを反変成分表示で、v = v1e1 + v2e2 = sinθe1 + 0e2
とする。これは図で表すと次のようになる。
この図では、x軸、y軸、z軸それぞれの正の方向を赤、緑、青で表している(左手系)。
0<θ< πのためg>0となることから、√|g|は
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiqntN35rhHAZn86FBKvytWtdcNm17S1aVtCC1U07d8q5FRtMUo58T-liorHoxSIvW22eTPBxc6HMQrbXrMeClDfbYW9f3maOAWoVWddIttrTUZ0NUWFzavsgBhs_dYsTz5Y40GHLsPKT8/s640/sphere_div-0-2.png)
のように計算できる。よって発散divvは、
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgJsVTbHNnvyd_noNE1EHUcReuQgIDKGr5jRK8_JtMuTX_L-QkT78lsdBhAk2DwMIfyqbzaOs45xn966z43VxsvqwG5LNgUJfzC4y1MBuoEpc8KzYucyB9JW_k217QHU8nG6scml7NKJBo/s640/sphere_div-0-4.png)
である。
計算結果から分かること
球面のz>0部分を北半球、z<0部分を南半球、z=0の部分を赤道ということにする。また、z軸と球面の交点でz>0の点を北極、z<0の点を南極ということにする。
北極に近づくにつれ、ベクトル場の湧き出しが大きくなる。南極に近づくにつれ、ベクトル場の吸い込みが大きくなる。赤道上のベクトル場は平行なので湧き出しも吸い込みもない。