2014年11月2日日曜日

2次元球面のリーマン曲率テンソルなど

 空間の曲がり具合を表す量として曲率がある。ここではリーマン曲率テンソル、リッチテンソル、リッチスカラーを2次元球面について計算してみる。
  R3における2次元球面S2の定義とパラメータ付けをこの回と同じにする。パラメータの記号をu1 = θ、u2 = φとする。
以下でリーマン曲率テンソル、リッチテンソル、リッチスカラーの計算を行う。その際、前回計算した2次元球面におけるクリストッフェル記号の値を使う。添字にはアインシュタインの規約を適用するものとする。

リーマン曲率テンソルの計算

リーマン曲率テンソルは定義の仕方によって正負が異なるが、ここでは以下のように定義する。

これは、第3,4添字について交代なので

が成り立つ。そこで第1,2添字が(1,1),(1,2),(2,1),(2,2)の場合を計算する。
曲面の場合はリーマン曲率テンソルの独立成分は1つだが、後々の計算のため他の成分も求めてみる。
R1121については、


R1221については、


R2112については、


R2212については、


リッチテンソルの計算

リッチテンソルを次の式で定義する。これも他の本では正負の異なる定義をしているため注意が必要。


上で計算したリーマン曲率テンソルを使うと、R11,R12,R21,R22






これらを行列に配置すると


リッチスカラーの計算

リッチスカラーを次の式で定義する。


これを2次元球面で計算すると次のようになる。